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【お知らせ】海陽町で在住外国人向け防災ワークショップを開催しました。[徳島県]
2022.09.16
【多文化共生型の防災ワークショップ】
2022年7月31日(日)に、海陽町海南庁舎で同町在住外国人10名(技能実習生等9名、ALT1名)に防災ワークショップを開催しました。外国人に防災の事を伝えるのは、徳島県立海部高等学校防災クラブ、NPO法人あったかいよう、そして四国の防災に携わる市民団体の方々にご協力いただきました。
【ワークショップ開催の背景】
海陽町の在住外国人は、2020年度末時点で190人 (ベトナム80人、中国人39人の順で多い)となり、人口の約2.15%が外国人です。そして南海トラフ地震が起こった場合の津波の到達が県内で一番早いと言われています。そのような背景から、母国で地震の経験が少ない外国人に地震が起こった際に必要な避難行動や、避難所がどのような所なのかを知ってもらうワークショップを開催しました。
最初に、さんすい防災研究所代表 山﨑水紀夫氏より海陽町の防災について講義をしてもらいました。地震での死亡原因は(1)家屋倒壊・家具転倒(2)火災(3)津波であり、地震では人は死なないこと。だからこそ平時から防災対策や地震が起こった際の避難行動が大切であることを話してもらいました。
【高校生が伝える避難行動と避難所の存在】
ここからは海部高校防災クラブが主体となり在住外国人に避難行動や避難所を知ってもらうワークショップ。
最初に起震車に外国人を誘導し、震度7の地震を体験してもらいました。地震が起こった時は机の下に隠れて頭部を保護し、揺れがおさまるまで待ち、その後高い所に避難することを伝えます。地震体験後は、高校生の「逃げろー」の叫び声を合図に同町役場3階まで逃げました。
次はクイズ形式で、特に技能実習生が町に買い物で来ている時(近くに所属先の会社の人がいない時)を想定し、逃げ方を伝えました。買い物かごなどを活用して頭部を保護してしゃがむことや、身軽に逃げること、周囲の人と一緒に逃げることを伝えました。
そのあとは避難所でテント、ダンボールベット、簡易トイレ等を高校生と外国人が一緒に組み立てました。外国人の皆さんはとても積極的で、高校生の声掛けに合わせててきぱきと動いていました。屋根ありなしのテントのそれぞれのメリットや、簡易トイレの衛生面を守ることの大切さなども伝えました。
最後は、避難所で食事が提供されることを体験してもらいました。時間が掲示板で伝えられることや、ハラル対応の非常食があることも紹介しました。
【みんなが助け合える海陽町に】
参加した外国人からは、「母国では地震がないので良い経験になった」「会社に戻ってほかの外国人にも今日の体験を伝えたい」などの感想がありました。
また、高校生からは、「やさしい日本語は思っていたより難しく、伝わっているか不安になった」「運動会などでもっと外国の人と交流がしたい」「知りあいが増えたので、これからは助け合える」などの感想を伝えてくれました。最後に写真をとりあったりSNSの交換をしたりして、閉会となりました。
参加した外国人と高校生の皆さんはこれから町で会った時は、お互いに名前を呼び、挨拶できる関係になってくれるでしょう。在住外国人の皆さんにとって、地震が起こったら自分の身を守ることができ、日本人と一緒に逃げることや避難所で生活することを恐れない気持ちをもってもらえたと思います。高校生の皆さんには、これからも海陽町の外国人との共生に向けた交流や防災の取り組みを担っていって欲しいと思います。
一連の取り組みは、JICAのNGO等提案型プログラム「多文化共生型の減災社会づくり研修」事業として実施したもので、今回のワークショップは、特定非営利活動法人えひめグローバルネットワーク、公益財団法人徳島県国際交流協会、JICA四国が主催し、海陽町と徳島県南部防災館に多大なご協力をいただきました。ありがとうございました。
※Assistant Language Teacher:外国語指導助手
【参加した皆さんの感想(一部抜粋)】
外国人
■会社で時々防災訓練をしているが、詳しい地震の体験はしたことがなかったので、みんな「いい体験」「良かった」。
■会社で毎年実施している防災訓練や日本語の授業の時に、今日学んだことを教えてあげたい。
■海陽町でまた研修のチャンスがあれば、技能実習生にどうやって申し込みをするか伝えてあげたいし、伝えてもらいたい。
高校生
■研修に参加する前は外国人に対して英語を使わないといけないと思っていたが、海陽町に住んでいる外国人は日本にある程度住んでいるので、英語より日本語が伝わりやすいと分かった。特に簡単な日本語が技能実習生には伝わりやすいことが分かった。
■高校生と外国人がもっと交流できる機会をつくりたい。
■外国人だけでなく子どもやお年寄りにも伝えたい。
■研修に参加する前は、外国人とたくさんコミュニケーションを取ることが大切だと思っていた。でも、どのように上手く伝えるか、全員に情報をしっかりと行き届かせること、誰一人残さないように配慮することが防災では大切だと気付いた。
【詳細】
独立行政法人国際協力機構ホームページ>JICA四国>トピックス>2022年度>(徳島)海陽町で在住外国人向け防災ワークショップを開催しました。
https://www.jica.go.jp/shikoku/topics/2022/0914.html
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えひめグローバルネットワークは、令和4年度外務省NGO相談員事業を受託しています。
http://www.egn.or.jp/ngo/ngo.html
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